事例:アートボディー 様

アートボディー 様

塗料は1液。アクロベースの完成度には正直言って驚きました
アートボディー
(神戸市西区)

 アートボディーは平成10年、現在の工場がある神戸市西区に近い、三木市内で創業しています。当初は、社長の原 正行氏が板金、奥様の佳代さんが塗装を担当し、2人で切り盛りしていました。
 興味深いのは2人の経歴で、社長はディーラーのサービスから板金塗装内製化部門へ、奥様は、一般の整備工場で、ともにメカニックとして自動車業界に足を踏み入れたそうです。

■事故車再生業務を主体に船出
 同社は開業当初から、事故車再生を中心に営業を続けていますが、自動車板金塗装の中でも、特に、この分野を選んだ理由を社長に伺ったところ、「ちょうどバブルがはじけて、不景気のどん底の時期に開業したので、一般的な入庫ルートを探しても、簡単には見つからなかった。そこで、ディーラーを辞めた後に勤めていた、修正装置メーカーの社長にアドバイスを受け、大損車の再生に特化した仕事を始めることにした」とのこと。
 それでも1年目は、非常に苦しい経営状況が続いたそうですが、「恩師である社長には、“上手くいかなかったらいつでも帰って来い”と言ってもらっていたものの、かえって格好悪いこともできないから」と、夫婦2人で、事故車探しと現場作業に、寝る間も惜しんで取り組んでいたそうです。

■“修理”を極めるために解体業者の資格を取得
 新車・中古車販売店や整備工場、自動車解体業者などから事故車を譲り受け、再生作業を加えてからオークションに流す。これが一般的な事故車再生業務の流れですが、信用のおける仕事を長く続けていると、直接のお客様が増えていくもの。
 同社でも、近辺のカーオーナーを中心に、修理や販売を通じて、現在、1,000を超える管理ユーザーを抱えているそうです。
 地の利のない場所で、一からこれだけの顧客を獲得できたことについて社長は、「やはり、お客様の要望に誠実に応えることが最も大切。個人で車を持ち込んでくるお客様には、予算や修理内容の面で、厳しい制約を受けることもある。予算面の要望にできる限り応えるため、中古部品を100%活用する目的で解体業者の資格も取った」とのこと。
 社長は、「基本的には交換せずに直す。必要とあれば、直接“もぎ取り”に出かけたり、解体車を買ってきてでも部品取りする」といった姿勢を、創業以来貫いています。

■アクロベースのできの良さに驚いた
 さて、同社がアクロベースを導入したのはこの春のことです。以前から1液ベースを使用しており、社長はもちろん、塗装担当の奥様も「塗料は1液」という考えを持っています。
 アクロベースの印象を奥様にお聞きしたところ、「ずっと外資系の1液カラーベースとクリヤーを使っていたのは、保存の利かない2液ベースには、まったく興味が無かったから。また、国産1液は、作業性や仕上がりの面で、まだまだだろうと思っていたが、滋賀工場で実際にアクロベースを試してみて、これはいけると思った」とのこと。
 「実際、ムラが出ず、トマリも非常に良い。乾燥性にも優れているので、急ぎの仕事でも安心して使用できる。また、長期保存できることも含めて経済性も高いので、今後の経費削減効果に大いに期待している」とは、現場ととともに大蔵省も兼ねている奥様のシビアなご意見でした。
 さらに、「今回、クリヤーもイサムのものを使い出したが、国産クリヤーがここまで良くなっているとは思わなかった」と、うれしいおまけの一言までいただきました。

 取材の最後に社長は、「事故車再生は、リサイクルの促進という意味で、環境事業の一翼を担う仕事。環境性能の高いアクロベースをこの仕事で活かせるのは、非常に有意義だ」と語ると共に、これからは、事故車再生をベースに、新車・中古車販売に大いに力を入れ、「目指すは、新車ディーラー」との夢を語ってくれました。社長の溢れるサービス精神で運営される自動車ディーラーには、数多くの顧客ができることは間違いないでしょう。

登録日 2007-10-24 最終更新日 2007-10-24 ダウンロード